超大型トラックの運転手さんで、”馬油の効果実験マニア”の人が居ました。その人は、右手の甲の丁度手首の所に、直径五糎くらいの瘤があり、逆ハンドルを切る動作の時に痛いので、病院で切開して、中の白い脂肪を取り除く手術をしたそうです。しかし、一〜二年すると又ふくれて元通りの瘤になり、「切って出しても又脂肪が溜まる体質」と言われたそうです。その人に「馬油でその瘤が治りませんか?」と訊ねられたのですが、「いくら何にでも効くと言っても、瘤は無理でしょう」と私は返事をしていたのです。
ところが一ヶ月もしない中に、「おーい、治りましたばーい!」と博多弁で叫びながら駆け込んで来られました。
自分で勝手に瘤に塗っていたら、或る日昼食中にズキンと鈍痛があり、見る見る瘤がしぼんでいく感じがしたそうで特に痛くもないので放っていたら、一時間もすると瘤は小さくなってしまい、替わりに指先までむくんで太くなったそうです。
その手のむくみも、間もなく正常に戻り、結局二時間ばかりの間に、手の甲の瘤は消え失せてしまった、との報告でした。
馬油で血行が良くなり、その血流で脂肪の塊を吸収して持ち去ったのでしょう。