陰部は湿気が多いからか、細菌が繁殖しやすく、油断すると色々の炎症を起します。病院に行くのをつい躊躇するのは人情ですが、それで病状が悪化しがちです。
外陰部の炎症には、とに角塗布すれば殆ど一日〜二日で治りますが、尿道炎は尿道から注入するのは少し難しく、ただ外陰部に塗って滲み登って行くのを待つだけです。就寝前にたっぷり塗布して寝ますと、三〜七日位で治ると思います。もし、注入容器で注入できたら、一日〜二日で治る筈です。婦人科疾患で特に知っておくべきことは、カンジダ菌などの、所謂、嫌気性細菌の炎症があることです。嫌気性の細菌は、人間の皮膚に進入した時は深く潜りこむのです。酸素(空気)に触れると四、五日で死ぬような菌ですから、なるべく空気に触れぬ深い所に入りこみます。ですから、馬油が仲々捕捉できないのです。膣炎(こしけ)なども、嫌気性細菌が多いのですが、根気強く何回も注入したり、タンポンにたっぷりまぶして挿入したりを続けていると、治せます。しかし、性悪の慢性のものは、洗浄を併用した方が良いので、婦人科病院に行かれるのが安心です。
大切な事は、平素から予防することでしょう。常に清潔にすることと、ごく少量でも良いのですから、毎日歯を磨くくらいの考えで、常用されれば完全に予防できます。