(昭和51年)
(10)リチャードソン博士の癌特効薬とは?(12)梅と、にんにくの話

Cさんは若い頃からの下戸甘党で、飲まないのではなく飲めない体質、日本酒はさかずき一杯で赤くなり、三杯が限度と言う体質でした。恐らく肝臓が弱かったのでしょう。
そのCさんが奥さんに勧められて《梅雲丹》を舐め始めて三、四ヶ月もした頃、何とも体の調子が良いので、付き合いの会合で思わず(不安を感じないで)お酒を口にしてしまいましたが、以前と違って一向に苦しくならず、結局二合近くも痛飲して、生まれて初めて”ホロ酔い気分”を味ったと言うのです。
Cさんは、その後は晩酌なども楽しまれるようになり、人生が大いに変わって明るくなったとのご報告でした。

そう言えば、下戸甘党の人は余り長寿をされませんし、酒が楽しめると言うことは、健康のシンボルかも知れません。
唯、アルカリ性体質を保ちながら、健康なお酒を楽しみたいもの、そうすれば”酒は百薬の長”と言えるでしょう。
何しろ、ストレスの解消にも役立ち、「怒らず、泥まず(怠らず)」の原動力にもなりましょう。

梅雲丹は、お寺の朝粥のお菜や、お坊さん達の”般若湯”のつまみにもされていましたし、焼き海苔にはさんで酒の肴にするのが、左党の通人の隠れた珍味だそうです。
兎もあれ、《梅雲丹》で左党になってしまったとは、喜ぶべきか悲しむべきか判らない、楽しい話でした。

《梅雲丹》と《馬油》を伝承した布施寺・薬師観音堂には、無病息災を祈願する人々への教えが三つあります。

一、(いか)る勿れ(腹を立てなさるな)
ニ、(なず)む勿れ(怠けず、規則正しい生活をしなされ)
三、(むさぼ)る勿れ(欲張りなさるな、飲食を過ぎぬよう)

和やかに角張らず、欲ばって争わず、怠けず規則正しく働き、食べ過ぎず飲み過ぎず、と諭していますが、現代風に解釈すると、酸性食品に偏る美食を戒め、暴飲暴食を戒めているのです。

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