分子が強烈に結合分離を繰り返し、流動するからこそ、馬油はミクロの極小微間隙に、滲みこんで行くのです
人体に塗布すると、この強力な浸透性で、毛穴の奥のミクロの隙間に溜まっている空気まで、完全に追い出して滲みこんで行きます。毛穴だけでなく、人間の皮膚には微細な凹凸があり、且つ皮下組織の中にも微かながら空気(皮膚呼吸した)が入りこんでいる事も多いのですが、
馬油は皮下組織の一部にまで滲透し、ほぼ完全に空気と置き替ってしまいます。

普通の油は、毛穴の奥程度の間隙でも、入口で表面張力を発生し、空気を奥に残したまま皮膚表面を掩うだけです。油と言う物質は、細菌が附着すると、その細菌を吸収取りこんで捕留する性質がありますが、普通の油の場合は、皮膚面のミクロ間隙に多くの空気を残しますので、空気中に残存する細菌も生き残ってしまいます。馬油は空気を残さずに滲透しますから、人体の皮膚表面や、毛穴の奥、さらに皮下組織の一粍くらいの深さの空気まで置換し、細菌類は完全に馬油に吸収とりこまれ、油の中に封じこまれてしまうのです。

馬油に吸収された細菌類は二度と馬油の外には脱出できず、つまり、人体皮膚を化膿させる作用をする事ができません。即ち、◎馬油の第一の効能は・・・、人体の皮膚の、完全殺菌にも等しい≪完全捕菌≫をすることです。細菌性の皮膚病には、細菌が巣食う皮膚面での深度によって、治癒日数に小差があるだけで、ほぼ完全な治癒効果を出すことが出来ます。

※(例)、深度を浅く生息する、≪インキンタムシ≫は、一回の塗布で一日後には完治し得るが、深度一〜二粍に潜行する水虫(白蘚菌)は、三〜七日を要する。又、火傷、切り傷などの皮膚炎症に塗布すると、ほぼ100%、化膿を防止し、傷痕を残さず治癒します。

人体皮膚面の細菌に対する馬油の学理的作用の説明は、『生体の化膿防止剤』として特許を出願した書類に記載したのみで、今まで公式発表したことがありませんので、多くの馬油愛用者は、『細菌が、馬油の油膜で窒息死するらしい』と思っておられた事でしょう。

私も最初はそう思っていたことがあり、一時期そんな研究発表をしていたことがありました。黴毒菌や破傷風菌、カンジダ菌やボツリヌス菌などの嫌気性細菌(酸素を嫌う菌)を、馬油が苦が手にする訳は、窒息死しないからではなく、馬油が滲みこむ以上に深い所に入りこんでしまうからです。馬油が滲みこむ皮下組織(皮膚の下の肉質)の深度は、約一粍と思って下さい。それより深い所に潜入するのが嫌気性の細菌ですが、そこは血液の循環も盛んな所ですから、抗生物質を併用すれば、それらは簡単に全滅させられます。

抗生物質が全く効力を出さない皮膚表面の方が実は厄介なので、ヨードチンキなどの殺菌剤は効力の持続時間が短かく、毎日一〜二回の″つけ替え″を行う必要があり、そのため治癒後に不治の傷痕が残ります。馬油の吸収捕菌力は、塗布している間は二週間以上も持続しますから、患部は安静のまま恢復し、全く傷痕が残りません。この効能の違いは、治癒後の傷痕では、雲泥の差を出してしまいます。

このように、素人考えでは、馬油は完全殺菌力を持つと思っていても大丈夫ですが、馬油にはもう一つ、非常に優れた特徴があります。
◎馬油の第二の効能は・・・、
それは、血が通っている皮下組織まで滲透して、栄養分として吸収される事です。空気や水分と置換しながら、皮下組織の一粍くらいの深さまで滲透して行くのですが、微量ですから、人体に害を起すような事はありません。害どころか、滲透吸収される馬油の刺激で、血流が盛んになり、所謂、血行が促進向上されるのです。

馬油の成分を分析して驚いた事は、高度の不飽和脂肪酸が65%もあった事と、人間の脂肪に、成分が酷似していた事でしたが、そのために、馬油が人間の皮膚から体内に吸収されても、何ら障害を起すこともなく、そのまま人体に親和して、血行促進の効能のみが発生します。

他の動物油や植物油は、人体の皮下組織までは滲透しませんし、皮膚表面に附着して≪皮膚呼吸≫のみを阻害しますから、所謂、≪油焼け≫などの油害を起すことがあります。(※馬油は、油やけをしません。)人体の肉質までも滲みこむ油は、馬油のほかには鉱物油しかありません。鉱物油(ガソリンや石油など)は、人体に滲みこんでも益はなく、害をおこします。

馬油の第二の特性である『血行促進の効能』は、言い替えれば、皮膚から食べられて栄養化している、と言うことです。人間が摂取する栄養分(食物)は、口から入って胃腸で消化されますが、微量とは言え、馬油は常識破りの食べられ方をする訳です。この特性を利用した効用が、≪肩こり≫をほぐしたり、≪神経痛≫の痛みを和らげたり、或いは、火傷、切り傷の炎症回復に活躍し、傷痕一つ無い元通りの肌に戻したりいたします。

※『血行を促進する性能』は、人体の自然治癒力(免疫力、代謝力)を促進している事であり、第一、第二の性能効力を合わせれば、実に理想的≪皮膚炎症修復剤≫と言えるのです。
さらに、馬油は炎症修復だけではなく、美顔、美肌用に多用され、夫婦和合用にも隠れた愛用者が多いのですが、いずれも
除菌と血行促進との二つの性能が、効力を発揮している訳です。